国際経済学は、国境を越えた財・サービス、資本、労働力などの移動が、各国や世界経済にどのような影響を与えるかを分析する学問分野です。その核心(コア)を簡潔にまとめると、主に以下の二つの領域に集約されます。
- 国際貿易(Real Side)
- どの国がどの財・サービスを生産し、どのように交換するかについて分析します。
- リカードの比較生産費説やヘクシャー=オリーン定理などに代表される「貿易理論」によって、国際分業や比較優位の仕組みが説明されます。
- 貿易による効率化や所得分配への影響なども重要な論点です。
- 自由貿易を促進する政策(関税の撤廃など)から保護主義(高関税、輸出入規制など)の是非まで、貿易政策の議論が中心的テーマとなります。
- 国際金融(Monetary Side)
- 為替レートの決定要因や国際収支のメカニズムなど、“お金の側面”から国際経済を分析します。
- 通貨・金融政策の国際的な協調や、資本移動(投資)の影響、通貨危機などが研究の対象です。
- 為替レート制度(固定相場制・変動相場制・通貨統合など)によってマクロ経済政策や景気にどのような影響を及ぼすかが重要な論点です。
総じて、国際経済学の核心は「世界各国の相互依存関係」の解明にあります。すなわち、財・サービスや資本、為替といった国際的な取引の実態を解き明かし、その動きと政策が各国の経済成長・所得分配・金融安定などにどのような影響を及ぼすのかを理論的・実証的に探究するところに、国際経済学の本質があります。