資産価格理論の核心


資産価格理論の核心は、投資家のリスクとリターンのトレードオフを合理的に評価し、予想キャッシュフローを割り引いて資産の理論価格を導く仕組みにあります。

【補足】
資産価格理論(Asset Pricing Theory)は、将来のキャッシュフロー(配当、利息、売却益など)の現在価値をどのように求めるかを中心に据えています。特に以下の3点が主要な要素です。

  1. リスクとリターンの関係
    CAPM(Capital Asset Pricing Model)やアービトラージ価格理論(APT)などでは、リスクを数値化してリスクプレミアムを推定し、資産の期待収益率を求めます。投資家は、単にリターンが高い資産を求めるだけでなく、その裏にあるリスクの大きさを重視するため、このトレードオフが価格形成において重要な位置を占めます。
  2. 合理的な期待と情報の効率的な反映
    合理的期待形成仮説(REH)や効率的市場仮説(EMH)などに基づき、市場における公開情報が瞬時に資産価格に反映されると考えます。市場がどの程度効率的に情報を反映しているかによって、資産の理論価格と市場価格の乖離が生じるかどうかが議論されます。
  3. 将来キャッシュフローの割引
    投資対象である資産が生み出す未来のキャッシュフローを、投資家の必要とする割引率(資本コスト、リスク補正後の割引率など)で現在価値に直すことが、資産価格理論の根幹を成しています。割引率が高くなるほど現在価値は低くなり、割引率が低くなるほど現在価値は高くなります。

このように、資産価格理論ではリスク・リターン評価の仕組みが主要な柱であり、投資家の期待と市場の情報効率を踏まえながら、最適な資産の理論価格が算出されると考えられています。

- Advertisement -spot_img

More articles

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

- Advertisement -spot_img

Latest article