ゲーム理論の核心(本質)は、「複数の意思決定主体(プレイヤー)が相互に影響を与え合う“戦略的な状況”において、各自が自らの利得や目的を最大化しようと行動したとき、どのような結果・解が導かれるかを分析する」ことにあります。
もう少し具体的に言うと、
- 戦略的相互作用
プレイヤーの意思決定(戦略)が、ほかのプレイヤーの選択や行動に影響され、また自分自身の選択も他者の選択によって影響を受けるような状況を扱います。 - 合理的行動の仮定
プレイヤーは自分の利得(または目的関数)を最大化しようと行動すると仮定します。これを「合理的行動」の仮定と呼びます。 - 均衡概念(解のあり方)の探求
代表的な均衡概念としては「ナッシュ均衡」が有名です。ナッシュ均衡は、すべてのプレイヤーが与えられた戦略を採用しているとき、どのプレイヤーも戦略を単独で変えて得をすることができない状態として定義されます。このような「誰も一方的に戦略を変えようと思わない状況」こそが、ゲーム理論の中心的な分析対象です。 - 協力ゲーム vs 非協力ゲーム
- 非協力ゲーム理論: 各プレイヤーは自分の利得を高めるために個別に行動すると考え、その結果として生じる均衡を探ります。
- 協力ゲーム理論: プレイヤー同士が連合(コアリション)を組む場合にどのような取り決めや利得分配が安定するかを探ります。ここで出てくる「コア(the core)」「シャープレイ値」などは、どのように利得を分配すればプレイヤーたちが不満を抱かず、かつ連合が崩壊しないかを示す概念です。
まとめると、ゲーム理論の核心とは、「各プレイヤーが戦略的に行動することで、彼らの相互作用から生まれる結果を数理的に解明する」ことにあります。そこでは合理的行動の仮定に基づき、安定していて誰も戦略を変えたくならない状態を見いだすという点が重要な柱となります。