リカード・ヘクシャー=オリーン・モデルの核心

リカード・ヘクシャー=オリーン・モデルという呼び方は、厳密にはリカード(Ricardo)の比較優位理論とヘクシャー=オリーン(Heckscher-Ohlin, H-O)モデルのエッセンスを合わせて捉えたものと考えられます。両者の核心は「各国は自国にとって(技術的あるいは生産要素的に)相対的に有利な財を専門的に生産・輸出することで、貿易から利益を得る」という点にあります。ただし、それぞれが比較優位を説明するメカニズムは異なります。

  • リカード・モデル
    • 比較優位の源泉:各国の生産技術や労働生産性(単一の生産要素=労働)
    • ポイント:技術水準や労働の生産性が異なるため、ある国ではある財を作るのに必要な労働量が相対的に少なくて済み、結果としてその財で比較優位を持つ、という考え方。
  • ヘクシャー=オリーン・モデル(H-Oモデル)
    • 比較優位の源泉:生産要素の相対的な豊富さの違い(労働・資本・土地など)
    • ポイント:要素賦存(どの生産要素が相対的に豊富か)が国によって異なるため、それぞれの国は自国で相対的に豊富な生産要素を集中的に使う財を有利に生産できる。結果、その財を輸出し、逆に自国で相対的に希少な要素を多く使う財を輸入する、という考え方。

したがって、リカード的視点(技術差)とH-O的視点(要素賦存の差)のいずれも「自国が比較的効率的に生産できる財を生産し、貿易することで相互に利益を得る」という共通構造をもっています。これがリカード・ヘクシャー=オリーン・モデルの核心といえるでしょう。

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