サプライチェーンリスクの核心は、調達先や生産拠点・輸送ルートの集中化や複雑化により、特定の拠点や工程が止まると事業全体に大きな混乱や損害が生じる脆弱性にあるといえます。
【補足】
近年のビジネス環境では、生産や調達がグローバルに分散し、ひとつの企業が自社だけで製品を完結できるケースは稀です。その結果、必要な材料や部品、サービスを海外の特定拠点に依存したり、一部のサプライヤーを通じてしか手に入らない状態が発生しやすくなっています。
こうした状況下では、災害や紛争、流通網の障害などが発生すると、サプライチェーン全体が停止または著しく遅延しやすく、企業の生産・流通だけでなく最終的な販売活動や顧客満足度にも大きな影響を与えます。さらに、サイバー攻撃や地政学的リスクもサプライチェーンリスクを増幅させる要因です。
つまり、サプライチェーンが複雑かつ一極集中化しているほど、想定外のリスクが発生した際の影響範囲やダメージが非常に大きくなるため、供給網の脆弱性がいかに重大なリスク要因となるかがサプライチェーンリスクの核心となっています。