資産負債管理の核心は、将来のキャッシュフローを視野に入れながら資産と負債の構造を最適化し、財務リスクを抑制しつつ安定的な収益を確保することにあります。
【補足】
資産負債管理（ALM: Asset Liability Management）では、まず資産（投資・融資など）と負債（借入金・預金・発行債券など）の両面からキャッシュフローを把握します。特に以下の点が重要です。
- 将来キャッシュフローの分析
金利変動や為替変動、信用リスクなど様々な要因を考慮し、今後どのように資金が入り、どのように支払いや返済が必要になるかを見通していきます。 - リスクと収益のバランス管理
リスクを最小化するだけでなく、必要なリスクを適切に負うことで収益を最大化するのがポイントです。リスク許容度に応じて、ポートフォリオ構成やヘッジ戦略などを検討します。 - 流動性確保
必要なときに必要な資金を用意できるよう流動性を確保することは、突発的なショック（金融市場混乱や金利急変など）への対応力を高めます。 - 期間構造（デュレーション）の整合性
資金の運用期間（資産側）と調達期間（負債側）の不一致は、金利リスクや流動性リスクを高めます。デュレーションを調整することで金利変動の影響を抑え、財務の安定性を高めます。
これらを総合的に管理・統合することで、企業や金融機関は財務の安全性と収益性の両立を図り、市場の変動に対する耐久力を高められます。
