内生的成長理論の核心

内生的成長理論(Endogenous Growth Theory)の核心は、「経済成長の主要な源泉は経済の外部から与えられるもの(技術進歩の外生性)ではなく、経済内部の要因(人的資本の蓄積、知識や技術の創出・伝播、研究開発投資など)によって持続的に生み出される」という点にあります。

具体的には、次のような特徴が挙げられます。

  1. 知識やイノベーションの内生化
    知識や技術進歩は、企業や個人の研究開発投資、学習活動などを通じて内生的に発生すると考えられます。経済成長を単なる外生的な技術進歩に依存するのではなく、経済主体の行動や政策によって技術進歩が左右されるという見方を重視します。
  2. 収穫逓増効果(Increasing Returns)
    伝統的な新古典派成長理論では、資本や労働に収穫逓減が働き、成長は限界があるとされました。一方、内生的成長理論では、知識や人的資本への投資は逓増効果を生み出す可能性があると考えられます。知識や技術は多くの人・企業が共有でき、スピルオーバー(波及効果)が起こりやすいため、投資すればするほど成長が加速することがあるとされます。
  3. 政策介入の重要性
    教育や研究開発に対する補助金、特許制度の整備など、政府が適切に政策介入を行うことで、知識や技術の蓄積を促進できると考えられます。したがって、成長の維持・加速には公共政策が大きく寄与する余地があるとされます。

要するに、内生的成長理論の核心は「知識や技術などの無形資産が成長の鍵となり、その蓄積や伝播を促すための投資や政策が経済成長を持続的に導く」という考え方にあるのです。

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